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子どものスマホ依存は何科?家庭で抱え込まない相談先と受診の目印

子どものスマホ利用が睡眠・学校・家庭生活に影響し、SNSトラブルや自傷の言葉が心配なときの相談先を整理。小児科、こころの相談、学校、公的窓口、ネット依存専門外来の役割を最新調査とともに分けます。

先に結論

子どもの「スマホ依存は何科?」に、全国共通の一つの答えがあるわけではありません。困っている場所が睡眠や体の症状なのか、気持ちや学校生活なのか、ネット上のトラブルなのかで、最初に相談しやすい窓口が変わります。

まずは家庭で「依存」と診断しようとせず、睡眠、学校、食事、家族との関係、本人のつらさに何が起きているかを短く記録します。生活への影響が続くなら、地域の小児科・かかりつけ医、学校、公的な相談窓口、こころを専門に診る医療機関のどこからでも、状況に合う次の窓口を尋ねて構いません。

調査の「トラブル経験」は、相談の入口を分ける材料

NTTドコモ モバイル社会研究所の2026年8月公開調査は、2025年11月に全国の小学生・中学生とその親1,200組を対象に、インターネット利用時の困りごとや嫌な思いを尋ねています。インターネットを利用している子どもでは、中学生のトラブル経験が4割を超え、「使いすぎて勉強や生活に影響が出た」は2割超、「変なメールやメッセージ」や「ネット上で喧嘩をしたり誰かを傷つけたりした」は約1割でした。中学生女子では、他人の投稿と比べてストレスを感じた経験も約1割と報告されています。

この数字は子ども全員の診断や相談の要否を決める基準ではありません。調査でペアレンタルコントロールを設定している中学生のトラブル経験が約11ポイント低かったことも、設定が原因で安全になったと証明する結果ではなく、家庭や利用状況の違いを含む関連です。相談では、割合に当てはめるより、起きている内容と生活への影響を次のように分けます。

起きていること まず確認する影響 相談時に伝えること
使いすぎで勉強・睡眠・生活が崩れる いつから、何が置き換わり、本人が戻りたいと思っているか。 利用の目的、切り替え、睡眠・学校・食事の変化。
変なメッセージ、知らない相手、個人情報の要求 今も接触が続いているか、脅し・金銭・画像要求があるか。 相手、日時、内容、必要な画面の記録。返信や削除を急がない。
ネット上の喧嘩、悪口、誰かを傷つけた・傷つけられた 学校、友人関係、本人の安全に影響しているか。 学校・サービス・公的窓口へ、事実と緊急度を分けて相談する。
他人の投稿との比較で落ち込む 気分、睡眠、食事、登校、自己否定の言葉が続いているか。 何を見た後にどう変化したか。こころの相談も候補にする。

「何科か」は困り方から決める

今の困りごと 最初に相談しやすい場所 伝えること
眠れない、朝起きられない、頭痛や痛みが続く 地域の小児科・かかりつけ医 症状の始まり、睡眠、端末の使い方、学校への影響
不安、気分の落ち込み、強い怒り、学校へ行きにくい 学校の養護教諭・スクールカウンセラー、地域のこころの相談、こころを専門に診る医療機関 本人の言葉、続いている期間、生活と対人関係の変化
写真、悪口、脅し、個人情報、知らない人からの接触 サービスの通報・安全機能、学校、公的なネット相談窓口 安全の緊急度、相手との関係、必要最小限の記録
家族だけでは利用を調整できず、生活の崩れが続く 地域の保健所・保健センター、精神保健福祉センター、ネット依存を扱う医療機関 利用時間ではなく、やめにくさと生活への支障、これまで試したこと

これは受診先を自動で決める表ではありません。地域によって名称や予約方法が違うため、最初の窓口で「子どものネット・スマホ利用と生活への影響について、どこへ相談すればよいか」と尋ねます。

「スマホ依存」は家庭でつける診断名ではない

検索では「スマホ依存」「SNS依存」という言葉が使われますが、画面を見る時間だけで医学的な診断を決めることはできません。短時間でも睡眠や学校生活に大きな影響が出る場合があり、長時間でも目的や生活との関係は人によって違います。

まず、利用時間と「問題的な利用」を分けて見る考え方は、スクリーンタイムを時間だけで判断しないガイドで整理しています。相談では、親がつけたラベルよりも、いつ、何のために使い、どう終われず、何が置き換わったかを伝えるほうが役立ちます。

久里浜医療センターのネット依存治療部門も、使用時間だけでなく、睡眠、生活習慣、学業、家族・対人関係などを問診で確認すると案内しています。専門外来を受診する場合も、いきなり特別な検査を自宅で用意する必要はありません。

相談前に3〜7日だけ記録する

記録は子どもを監視するためではなく、相談の場で状況を思い出しやすくするためのものです。完璧な分数より、生活との関係が分かる短いメモを残します。

  1. 目的:連絡、学習、創作、動画、ゲーム、気分転換のどれだったか。
  2. 切り替え:自分で終えたか、声かけや制限が必要だったか、終えた後に戻れたか。
  3. 生活:就寝・起床、食事、宿題、運動、学校、家族との会話に変化があったか。
  4. 本人の言葉:「見たい」「やめたい」「怖い」「連絡を逃せない」など、責めずに聞けた言葉。
  5. 試したこと:通知、置き場所、時間帯、親子の約束を変えた結果と、難しかった点。

記録ができないほど家庭が緊迫しているなら、記録を待つ必要はありません。学校、自治体の相談窓口、医療機関へ、今起きていることをそのまま伝えてください。

公的な相談窓口は「大きな問題の後」だけではない

厚生労働省の相談案内は、子どものこころの状態が気になるときの相談先として、保健所・保健センター、精神保健福祉センター、こころの相談窓口、こころを専門に診る医療機関などを案内しています。何科に行くか判断できない段階でも、地域の窓口へ相談して構いません。

こども家庭庁の現行相談窓口ページでは、心の悩み、学校・いじめ、人権、ネット・SNS・アプリなど、地域や内容に応じた窓口を探せます。ネット上のトラブルが中心なら、東京都の「こたエール」のように、子ども本人・保護者・先生が相談できる窓口もあります。ただし自治体ごとに対象地域や受付時間が異なるため、住んでいる地域の案内を優先します。

まだ「相談するほどか」「どこへ行けばよいか」を決められない場合は、こども家庭庁のこども相談ガイドが入口になります。本人・保護者・こどもに関わる人の立場から、家族、学校・友人、心身、トラブルや犯罪などの困りごとを選び、チャット・電話・対面の相談先を探せます。現行ガイドは2026年9月時点で全国約7,600箇所の支援団体とつなぎ、名前や連絡先の登録不要、無料で、どの立場からも利用できると説明しています。ただし掲載は自治体などが公開した情報をもとに原則年1回更新され、こども家庭庁が個別団体を認定・推奨するものではないため、最終的な受付条件や最新情報は各支援団体・自治体の案内で確認します。

命の危険、自傷の話、暴力、意識や呼吸に関わる急な症状などがある場合は、この記事の窓口を待たず、地域の救急・警察など緊急の支援につないでください。

ネットいじめ・自傷の言葉は、端末設定より安全確認を先にする

Metaの2026年8月の日本向け発表では、Instagramのペアレンタルコントロールを利用している家庭で、10代が自殺・自傷行為に関連する語を短期間に繰り返し検索しようとしたとき、保護者へメール、SMS、WhatsApp、アプリ内通知で知らせる機能が案内されています。これは相談につなぐきっかけであって、検索だけで自傷の有無、本人の意図、緊急度を判定する通知ではありません。Meta自身も深刻な懸念がない場合に通知される可能性を説明しているため、通知を受けたら叱責や端末の一律没収を先にせず、本人が今安全か、ひとりにしてよい状態かを落ち着いて確認し、必要なら信頼できる大人・医療・公的相談へつなぎます。通知が届かないことも安全の証明にはなりません。

文部科学省のネットいじめ案内は、ネット上の誹謗・中傷を他のいじめと同じく許されないものとし、学校・家庭・地域の身近な大人が見守る必要を示しています。悪口、脅し、晒し、仲間外れ、性的な要求があるときは、「スマホを何時間使ったか」ではなく、誰が、何を、いつ要求したかを分けて、学校や公的な相談窓口へつなぎます。

厚生労働省の子どものSOSサインは、自傷行為や「消えてしまいたい」という言葉を、端末の使いすぎだけで説明せず、こころの状態を支える相談の入口として扱っています。子どもを叱って投稿や言葉を消させることを急がず、目の前の安全を確かめ、差し迫った危険があれば地域の救急・警察・医療につないでください。

起きていること 最初に分けること 次の相談先
悪口、脅し、晒し、仲間外れ、性的な要求 相手、内容、日時、今も続いているか。必要な画面を消さずに保つ。 学校、サービスの安全窓口、自治体や公的なネット相談、危険があれば警察。
自傷、死にたい・消えたいという言葉、急な孤立 本人が今安全か、ひとりにしてよい状態か、差し迫った危険があるか。 保護者や身近な大人、こころの相談・医療、緊急時は地域の救急など。
危険は切迫していないが、学校や生活への影響が続く 睡眠、登校、食事、会話、本人の言葉と、家庭で試したこと。 こども家庭庁の相談窓口で地域・内容に合う窓口を探す。

東京都のこたエールのように、子ども本人・保護者・先生がネットやスマホのトラブルを相談できる窓口もあります。対象地域、受付時間、相談方法は窓口ごとに異なるため、現在地の公式案内を確認します。

急な体の症状は、記録より相談を先にする

頭痛、発熱、けいれん、意識や呼吸の変化など、スマホ利用との関係を家庭だけで判断できない急な体の症状がある場合は、利用時間の記録を完成させるまで待ちません。厚生労働省のこども医療電話相談(#8000)は、休日や夜間に子どもの症状について受診先などを迷うとき、小児科医師・看護師へ相談する窓口です。

#8000は、ネット利用の困りごと全般や、こころ・学校・被害の相談を一つで解決する窓口ではありません。症状の緊急度は地域の案内に従い、こころのつらさ、オンライン上の脅し、学校での問題は、前の表にある相談先へ別に伝えます。窓口の受付時間や地域の対応は、公式案内でその都度確認してください。

受診や相談で、親が先にできる準備

  • 「取り上げて終わり」にしない:連絡、安全、学校の端末利用など、止められない事情を先に分ける。
  • 本人を責めない:相談の目的を「スマホを取り上げること」ではなく、睡眠や安全、つらさを軽くすることに置く。
  • 親の観察と本人の感覚を分ける:使った時間の記録と、「なぜ開いたか」「何が怖いか」を同じ事実として混ぜない。
  • 次の一歩を一つにする:予約、学校への共有、通知の調整など、相談後に試すことを増やしすぎない。

家庭のルールそのものを見直したい場合は、時間だけでなく目的・場所・終わり方・例外を親子で決めるスマホルールのガイドも参照できます。ルールで解決しない困りごとを、家庭の努力不足に戻さないことが大切です。

起床後のスマホで朝の支度や登校が遅れる場合は、睡眠、体調、学校の負担、端末の置き場所を分けて記録する朝のスマホと支度のガイドも参照してください。

まとめ:相談先は「病名」より、今の困り方から選ぶ

子どものスマホ利用が気になるとき、最初から「何科で依存症を治すか」と決めなくて大丈夫です。体の症状なら小児科・かかりつけ医、こころや学校生活なら学校や地域の相談・医療、ネット上の被害なら公的なネット相談や学校、利用と生活の崩れが続くならネット依存を扱う窓口へ、困り方を入口に相談します。

時間だけで子どもを判定せず、3〜7日の短い記録と本人の言葉を持って、次の相談先を一緒に探してください。相談は、家庭だけで抱え込まないための環境調整の一部です。

REFERENCES

参考資料

  1. 困ったときの相談先:こころもメンテしよう(厚生労働省、参照日 2026-09-13)
  2. 相談窓口(こども家庭庁、参照日 2026-09-13)
  3. こども相談ガイド|あなたに合った相談先をさがす(こども家庭庁、参照日 2026-09-14)
  4. ゲーム障害・ネット依存・スマホ依存の治療施設リスト(久里浜医療センター、2025)
  5. インターネット依存治療部門:受診案内(久里浜医療センター、参照日 2026-09-07)
  6. こどものネット・スマホのトラブル相談!こたエール(東京都、参照日 2026-09-13)
  7. こども医療電話相談事業(#8000)について(厚生労働省、参照日 2026-09-13)
  8. 子どものSOSサイン(厚生労働省、参照日 2026-09-13)
  9. 「ネット上のいじめ」から子どもを守るために(文部科学省、参照日 2026-09-13)
  10. 中学生の約4割 インターネット上でトラブルを経験(NTTドコモ モバイル社会研究所、2026年8月3日)
  11. 子どもがサポートを必要としていることを保護者に知らせる機能を日本でも導入(Metaについて、2026年8月18日)

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